今日の早朝までで、ようやく23日から抱えていた用件が終わったので、日記もまともに更新していけるかなあなんて思った今日この頃。実際の作業に使った時間は約2日だったけど、一気にいろいろな作業すると、各所に見落としとかありそうでちと不安。とはいえもう慣れた作業だし、そうそう大ポカはしてないと思うけど。
で、ここから例の如く23日の回想の続きへ。…ということで23日の自分たちの行動をかなり書き上げてたんですが、夜9時のNHKニュースで「Winny」についてのニュースをやっていて、急遽その件について取り上げたくなったので、また後日に回します(^^;)。ちょうど数日前にP2PとNetLeaderについて書いてたんで、その事についても触れたかったですし。
今回は「Winny」での逮捕ニュースがありましたので、その件についていろいろ書いてみました。
ついに「WinMX」を上回る勢いで広まっていた、「Winny」の使用者に逮捕者が出たようです。Winnyには各ユーザーの匿名性を確保するための手法が多々取り入れられていたようですが、それが破られた、ということなのでしょうか。別方面から聞いた話だと、
「逮捕者は自分のホームページを持っており、そこで逮捕のきっかけとなるデータを公開していた。そのページで公開していたデータはWinnyで入手していたものの、Winnyがきっかけで逮捕されたわけではない。あくまでホームページ上に公開したことが逮捕のきっかけであり、今回Winnyが大きく取り上げられたのは、データの入手元がWinnyだったから。警察はWinnyを使用し、違法データのやり取りをする事に警鐘を鳴らしたかったのでは?」
との意見もあります。事の詳細はまだ明らかになってはいませんが、匿名性が破られたということであれば、Winnyネットワークの根幹を揺るがすことになるのは間違いないでしょう。個人的には、WinMXをきっかけとして、カジュアルコピーがこうまでおおっぴらになってしまった現状(本屋に溢れるWinMX・Winny特集本の数を見てください) を考えると、厳しい取り締まりもやむなしかなと思います。
UGはUGという言葉通り、地下に潜り人知れず行うもので(それでも違法行為はダメですけど(^^;)。ただ海外ではそういうUGコミュニティからセキュリティ技術が発展した経緯もありますので、ある程度は必要悪と言えなくもないかなとは思いますが)、ここまでおおっぴらになってしまっては多くの人の目に付き、憎まれます。そうなれば「出る杭は打たれる」のことわざ通りになってしまうでしょう。
P2Pの合法的な利用方法が模索されている現在、そのP2Pソフト最大手の一つであった「Winny」が衰退してしまうと、それを使って合法的なコンテンツを流そうとしていた企業(たとえば以前取り上げた「NetLeader」を開発したNTTコミュニケーションズとか) は打撃を受けかねません(これについては追記でも多少触れています)。もちろんもう一つの大手「WinMX」もありますが、選択の幅は多いに越したことはないと考えます。特にP2Pの合法的利用という分野は、企業・ユーザーにとっても未開拓な分野ですから。
最終的に「どのようにして逮捕されたのか」その捜査手法が判明するまでは、2chをはじめとして各所で起きている、この件に対する混乱は収まらないでしょう。
上記「ファイル交換ソフト悪用しネットで映画公開、2人逮捕」の記事によると、Winny開発者の家宅捜索も行われたようです。これによりソースコードが解析されれば、Winnyが備えていた匿名性も消えてしまうかもしれません。しかし、ソフト制作者に対してユーザーが起こした違法行為の責任は問えないと思われるのですが、それでも制作者の家宅捜査を行うということが、どのような意図で行われたのか。
勘ぐれば「警察内部でソースを解析して独自のユーザー追跡ソフトを作るため。今回、各社報道の中でWinnyを大きく取り上げさせたのは、その伏線」とか、直接的に「Winny撲滅が目的」とも考えられますが、真意は闇の中です。
「Winny撲滅」が真意だとすると、P2P合法利用を考えていた各企業は、その流通ルートの一つが断たれてしまうことになりますね。もちろんゼロからP2Pクライアントを作ってそのネットワーク中にコンテンツを展開する、という方法もありますが、そのクライアント作成もそう簡単ではないでしょうし(「NetLeader」の開発者の方は「クライアントを作ることも考えたが、WinMXにはかなわない」と発言している事から)。
また、クライアントを作ってもそれを使ってくれるユーザーがいなければ、そのコンテンツを広めることも出来ませんし。そういうことを考えると、現在大きなシェアを持つP2Pクライアントに「相乗り」させる形でコンテンツ流通させようと考えた「NetLeader」は、現実的な解だと言えますね…。再生にも特殊なツールが要らない点からも、その敷居の低さはよく考えられていると思います。…って、前の考察でプライバシーとかの面でさんざんけなした人間の言うこととは思えませんが(^^;)、その流通戦略とか敷居の低さは認めてますので(^^;)。
少し話が脱線しましたが、はてさて、今後のP2P業界はどのような方向に進んでいくのか。新たなツールが誕生し、大きな勢力を築くのか。はたまた原点回帰し、WinMXなどの既存のツールに流れるのか。あるいは現状のまま変化はないのか。逮捕者がいるのに不謹慎ではありますが、このような成長著しい分野の行く先に今後とも注目したいと思います。
Asahi.com の記事「交換ソフト「Winny」で初の逮捕者 製作者宅も捜索」によると、「府警は独自の技術を開発し、暗号も解読して発信者を特定した」と発言しており、上記の「ホームページからの別件逮捕だ」という情報とは全く逆の見解が述べられているようです。やはりまだ情報は錯綜している感がありますね。
いつも通り、個人的備忘録と友人用にメモ。今週ソフト出るの多すぎなので、簡単に。いろいろ用事あったんで発売日前日に更新(^^;)。