この記事の2014年版として、APC Smart-UPS 1400・1500向け互換バッテリーまとめ 2014・春 という記事を追加しました。よろしければこちらもご覧ください。
我が家では、かつて APC Smart-UPS 1400 を4台利用しており(今は1台しか残ってないけど)、現在は1500を2台、停電時のバックアップとして利用している。
このUPSのバッテリーは、あまりに長期に渡って使うと、場合によっては過熱して異臭を放ったりということがあるため(過熱は2回ほど経験あり)、できる限り定期的に交換することが望ましい。
しかし純正バッテリーはバカ高いので、企業ユースならまだしも、個人が2年ごとに交換、なんてのは懐が厳しいのも事実。
ということで互換バッテリーの出番となるわけだが、以前はLONG一択という状況だったものの、今では多種多様なメーカーから発売されているため、自身の備忘録も兼ねてまとめてみた。(以下敬称略)
なお、以下で取り上げるバッテリーは、特に記載がない限り2個をつなぎ合わせて使用するため、2セット買わないとバッテリーの交換はできない。ご注意されたし。
以前の記事 でも書いたけど、過熱したこともあったり、ロングライフバッテリーなのに1年ちょっとでバッテリー警告が鳴ったり、品質は微妙な印象。ただし価格は安い(通常バッテリーは)。……が、後述する FIAMM も安価なため、ここのロングライフバッテリーを買うくらいなら、FIAMM の方がいいかもしれない。
LG17-12 という、ゲルバッテリー(内容液がゲル状なのかな) もあるようで、そちらは期待寿命が7年?10年、繰り返し充電回数もロングライフバッテリーである WP20-12IE の750回に比べ、250回多い1000回(50%時より100%への充電時) と価格からすると高機能でちょっと興味が。しかし、そのロングライフバッテリーですら、期待寿命が3?5年ってなってるのに1年ちょいでアラート出たし、3分の1くらいの寿命と考えた方がいいのかな、LONGバッテリーは。
FIAMM(フィアム) はイタリアのメーカーで、ヨーロッパ向けのGSユアサ バッテリーをOEM生産していたり、産業用バッテリーでは世界シェアの上位に位置する企業のようだ。フェラーリの純正ホーンを作っていることでも有名らしく、そのフェラーリやベンツ、プジョー等の純正バッテリーも納入しているとか。
代替として使えるのは FG21803 という型番のバッテリーで、メーカーサイトを見ると期待寿命として3年と記載があり、ある程度の目安となるのもありがたい。実際の品質については未使用なので不明だが、いずれテストしてみたい。
FIAMM FG2180312V 18AH (PE12V17/12m17W互換) 価格:5,800円 |
こちらも 以前の記事 でレビューを書いたけど、その時のモデルより容量が増えた(18Ahから22Ah) 代わり、価格も高くなったため(1000円くらい高くなったような)、魅力は乏しくなった。
ちょうど2年前くらいには、FIAMM もそんなに出回ってなかった記憶があるので、当時としてはLONG代替としてアリだったが、価格の高騰とメーカーのデータシートが不明なこと、FIAMM と比較してのブランドの信頼を含めて考えると、積極的には選びづらい。
12SN22 スーパーナット (Smart-UPS 1500 など対応)保証付 サイクルバッテリー (産業用鉛蓄電池) 価格:7,480円 |
Webサイトに記載がないため、何が来るのか若干あやしいバッテリーをご紹介。Webサイトの写真通り、GSユアサのバッテリーが届けば大当たりだが……。
互換バッテリー界では超有名なメーカー。メイドインジャパンなのも魅力。超長寿命を誇る LHM シリーズ(期待寿命13年!) と、長寿命モデルの HF シリーズ(期待寿命5年) がある。HFシリーズは、自分も使用を開始して丸2年ほどになるが、過熱することもなく安定して動作している。
適応する LHM15-12 は容量が 15Ah と、純正バッテリーの 17Ah を下回るため、バックアップ時間や充電時に過充電が起こらないかなど若干の不安もあるが、特に問題があったという評判は聞かないので、おそらく大丈夫だろう。(それで過充電されるなら、経年劣化でバッテリーがへたった時にもそうなるということだし)
価格的には、以前より取り扱いが多い天翔電源製作所の価格が高くなっているようなので、LHM シリーズについては別店舗へのリンクを掲載した。
追記注 : 下記リンク先の LHM15-12 については、端子形状が互換性のないものであるというショップレビューがありました。誤った情報を記載してしまい、申し訳ございませんでした。ただし、変換ケーブルを作成するなどして対応すれば利用は可能であること・価格の安さというメリットもあることから、リンクは消さずに残しておきます。
LHM15-12☆JIS規格・小型制御弁式鉛蓄電池☆超長寿命【業販特価】 価格:14,180円 |
世界のトップメーカー。新神戸電機同様、期待寿命13年の PWL12V15 と、期待寿命3年の PE12V17 が代替としてあるが、PWL12V15 は販売価格が1台で3万円と高く、これを買うくらいなら純正バッテリーや新神戸電機のバッテリーを買った方が安いので、PE12V17 一択となる。
しかし、FIAMM の FG21803 も期待寿命3年でスペック的にも近いため(FIAMM の方が容量も1Ah多い)、コスト的に選択肢にはなりづらい。
日本で著名なバッテリーメーカーの一つ。こちらも期待寿命13?15年の FLH12150 と、期待寿命5年の FPX12170 がある。GSユアサとは違って、古河電池は超長寿命版の方が実売が安い店もあり、逆転現象が起こっている。(UPS用途と銘打たれているのは FPX シリーズのため、出力特性などが違う可能性はあるが)
FLH12150 は、新神戸電機の LHM15-12 と近い金額であるため、もう一つの超長寿命バッテリーの選択肢として検討してみたい。
価格で選ぶなら、LONG が最安。2個セットで6,290円はかなり魅力的。しかし、下手したら1年程度で交換することになりかねないため、トータルコストで見たら必ずしも安いとは言い切れない。
新神戸電機の LHM15-12 は、5年は持ったという話も聞いたが、3万円弱のコストで5年とすると、年6,000円弱である。LONG よりは安いが、もう少しコストメリットが欲しいところ。環境次第で5年以上使えるかもしれないが、13年持つというのは、いかに日本メーカー製とはいえ難しいだろうなというのもあるし。
期待寿命3年を全うできるならば、FIAMM がコストパフォーマンスが高い。1.2万円弱で3年なら、年4,000円弱である。最低2年保てば年6,000円弱だから、他のバッテリーと比べてもコストパフォーマンスは悪くない。
バッテリーは温度などの使用環境で寿命が大きく変わるため、期待寿命は話半分程度で捉えた方がいい。そうすると、いい物を長く使うよりは、安いものをこまめに交換する方が、過熱するかもという恐怖からも逃れられるため、いい選択のようにも思える。(本来は定期交換が必要なものでもあるし)
ということで、私が次に購入するバッテリーは、(おそらく) コレ!
価格が変わったりしてなければ、まだ使った事がないので、FIAMM バッテリーを動作検証がてら試してみたいですね。
以上、APC Smart-UPS 1400・1500向け互換バッテリーまとめ 2012・夏バージョンでした。