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NVR500でFUSION IP-Phone SMARTを、ちょっとトリッキーに使ってみた

自宅では、NTT西日本のひかり電話+プロバイダ提供のVoIP電話番号を利用していたが、コスト優先でVoIP電話番号がないプロバイダに乗り換えた。

固定電話の利用頻度も低いので、別に困らないかなーと思っていたのだが、事情によりFAXを繋ぐための電話番号が必要となり、基本料金無料の FUSION IP-Phone SMART の契約をした。

で、FUSION IP-Phone SMART がプロバイダの提供するVoIPサービスほど電話料金が安いならいいのだが、ひかり電話と比べると微妙に高い。そこで、FUSION IP-Phone SMART のメリットを活かしつつ、ひかり電話と使い分けができないかと思い、設定を行ってみた。

 

やりたいこと

  • 基本的に、通話はひかり電話を経由させたい
  • FAXは FUSION IP-Phone SMART の電話番号から送りたい
  • 安く(無料で) 通話できるところにのみ、FUSION IP-Phone SMART を経由してコールしたい

以前にも電話のルーティングを設定した事があるし、割と簡単そうに思えたが、FAXを送る相手が常に異なるという部分で若干悩む事となった。

普通にWebから設定してルーティングを行うだけでは、デフォルトの発信元がVoIP、つまり FUSION IP-Phone SMART に固定されて変更できないため、プレフィックスを付けて、コール事に掛け分けるという事ができない。

そこで、Webの管理画面からはVoIPの設定だけを行い、その後は全てコマンドラインで設定する事でうまく掛け分ける事ができるようになった。

 

できるようにしたこと

  • 0000 を付けてコールした場合は、強制的にひかり電話から発信
  • 9999 を付けてコール(FAX) した場合は、強制的に FUSION IP-Phone SMART から発信
  • FUSION IP-Phone SMART で無料通話ができる相手には、9999 を付けなくても FUSION IP-Phone SMART から発信
  • 携帯へは常に FUSION IP-Phone SMART から発信(PHSは距離によって料金が変わるので、とりあえずひかり電話から発信=設定を書かなかった)
  • 上記の条件に当てはまらない場合は、常にひかり電話から発信

なお、自宅の環境では、NVR500 はひかり電話を直収しておらず、ホームゲートウェイからLINEへ接続している。直収環境では電話番号の拒否設定ができなかったためだが、現在のところ、ひかり電話は NVR500 に直収せずに、ホームゲートウェイ経由で使う方が何かと便利だ(音質も高音質になるようだし)。

 

作業手順

Webから、 [トップ]‐[電話の設定]‐[VoIPの設定]‐[IP電話サーバの設定] とたどって、IP電話サーバの新規登録 から、追加ボタンを押す。

以下のような画面になるので、手動設定 にチェックを入れて次へ。

NVR500 電話の設定 → VoIPの設定 → IP電話サーバの設定

 
フュージョン・コミュニケーションズ系IP電話サーバ にチェックを入れて次へ。

NVR500 電話の設定 → VoIPの設定 → IP電話サーバの設定 2

 
FUSION から通知された、電話番号やID、パスワードを入力する。ドメイン名・サーバアドレスは smart.0038.net を両方に入れる。

NVR500 電話の設定 → VoIPの設定 → IP電話サーバの設定 3

電話番号ルーティング にチェックを入れてしまうと、不要なルーティング設定が行われるため、チェックをしないで進める。FUSION IP-Phone SMART では他のFUSION系VoIPとはサービス内容が異なっているため、普通に使う場合にも、このチェックはしない方がいいかもしれない。

 
ここまでの設定が終わったら、 [トップ]‐[詳細設定と情報]‐[コマンドの実行] とたどり、以下の設定を入力する。下記の内容は、FUSION IP-Phone SMART が IP電話サーバ 1(server 1) として設定されている事を前提にしているため、それと異なる場合は読みかえて設定する必要がある。

 

# ルーティングを有効にする
analog extension dial prefix routing route-table=1 server=1
analog extension dial prefix port=1 routing route-table=1 server=1
analog extension dial prefix port=2 routing route-table=1 server=1

# 明示的にSIPからコールするときは、9999 をつける
analog extension dial prefix sip server=1 prefix="9999"
analog extension dial prefix port=1 sip server=1 prefix="9999"
analog extension dial prefix port=2 sip server=1 prefix="9999"

# 明示的にひかり電話からコールするときは、0000 をつける
analog extension dial prefix line prefix="0000"
analog extension dial prefix port=1 line prefix="0000"
analog extension dial prefix port=2 line prefix="0000"

# ルーティングテーブルの設定
analog call route-table 1 10 11 21 22 23 24 25 26 27 28 999

# 携帯には IP-Phone SMART からコールする
analog call route 10 080* 080* server=1
analog call route 11 090* 090* server=1

# 無料通話が可能な相手には IP-Phone SMART からコールする
analog call route 21 05055[0-3]* 05055[0-3]* server=1
analog call route 22 050577[7-9]* 050577[7-9]* server=1
analog call route 23 05057[89]* 05057[89]* server=1
analog call route 24 05058[0-6]* 05058[0-6]* server=1
analog call route 25 050800[012345679]* 050800[012345679]* server=1
analog call route 26 050801[0123469]* 050800[0123469]* server=1
analog call route 27 050802[01267]* 050802[01267]* server=1
analog call route 28 050803[0145678]* 050803[0145678]* server=1

# 上記以外の通話は、ひかり電話を利用する
analog call route 999 * * line

# 設定を保存
save

 
注意点としては、

# ルーティングを有効にする
analog extension dial prefix routing route-table=1 server=1
analog extension dial prefix port=1 routing route-table=1 server=1
analog extension dial prefix port=2 routing route-table=1 server=1

の部分が、Webの設定画面から電話関連の項目を修正したりすると、消えてしまう事がある点。これに気づかず少しハマったので、電話関係の設定は、Webの設定画面からは行わず、コマンドラインで行うこと。

以上で問題なく掛け分けができるようになったが、より効率的なやり方などあれば、コメント等から教えてください。

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