海外バッテリーに、イーグルピッチャー(EaglePicher) 社の内容とPOWER SONIC社の内容を追記。あと、あとがき部分をちょこっと変更しました。
およそ2年前にやったこの企画、2年といえばこの日進月歩な時代においてはかなりの時間経過といえるわけで、バッテリーの価格やら種類も結構変わってきております。
そこで、最新の状況に合わせて内容をリフレッシュさせよう っつーか焼き直しで1記事増やせるの楽だしなゲヘヘ月刊誌で毎年同じネタ繰り返す理由がよく分かるわ という事で、2014年春時点でのAPC Smart-UPS 1400・1500向け互換バッテリーをまとめ直してみようと思う次第であります。
・・・まあ 前記事の余談でも書きました が、次の交換用バッテリー候補を探してる途中に、色々集まった情報をまとめただけって感じなんですけど、参考になれば幸い。
そのブランド名に反して、全然ロングライフじゃないバッテリーという印象が個人的にあるブランド。その辺りの理由については 以前の記事 にもちょこっと書いてあるので参考までに。
ただ、そもそもSmart-UPS 1400自体のバッテリー充電コントロールがあまりうまくなくて過熱や膨張がよく起こっていたとか、Smart-UPS 1500になってからはその辺りが改善され、本体・バッテリー温度も低めで、あまり過熱もしなくなったとかいう話も聞いたので(あくまで噂話のため真偽は不明)、LONGバッテリーが戦犯ではないのかもしれない。(自分もSmart-UPS 1500では使用してなくて未確認だし)
さて、改めて述べるまでもないけれど、LONG社のバッテリーを選ぶメリットは価格の安さ。デメリットは信頼性・・・ではあったのだが、価格だけでいうと通常ランクに当たる WP20-12 や WP22-12 は確かに安いが、信頼性を向上させたという WP20-12IE の価格は後述する FIAMM とほとんど差がないし、さらに信頼性が高いというゲルバッテリー LG17-12 は下手すりゃ国産バッテリーが買えるような金額で、これまでのイメージからすると高すぎる印象が否めない。
ただ、異常過熱や膨張の戦犯は本当にLONG社のバッテリーなのか、という点をSmart-UPS 1500で確認してみたい気もする。
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FIAMM(フィアム) はイタリアのメーカーで、ヨーロッパ向けのGSユアサ バッテリーをOEM生産していたり、産業用バッテリーでは世界シェアの上位に位置する企業のようだ。フェラーリの純正ホーンを作っていることでも有名らしく、そのフェラーリやベンツ、プジョー等の純正バッテリーも納入しているとか。・・・と、ここまで前の記事のコピペ。
そのFIAMM社のバッテリー、通称タモさんバッテリー(俺命名) だが、昨年末から自分でも4ヶ月ほど使ってみた感じ では問題ない印象。もちろんもっと長く使ってみないと品質は分からないが、期待寿命は3年あるようだし、そのくらいは保って欲しいとは思うけど。
FIAMM FG2180312V 18AH (PE12V17/12m17W互換)UPS用 価格:5,184円 |
型番は 12SN22 と同じだが、UPS用ではなくバイク用しか扱われなくなった模様。よってコネクタが適合するか不明(写真では使えそうな気もするけど・・・) なのと、金額も1,500円くらい値上がりしたため検討しづらい。
12SN20 という、おそらく 20Ah な商品は2年前の 12SN22 と同じ7,480円で掲示されているが、売り切れのまま再入荷もなさそうだし、価格メリットもないので考えなくてもいいだろう。
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上海にある会社。IEじゃないとWebサイトの表示が崩れてきちんと表示されないなど、その時点でやや不安になる。
会社としては、バッテリーはもちろんソーラーパネルやらコントローラー、UPSも製造しているようで、それなりの規模の会社なのかも。バッテリーの情報はこちらから確認できる が、詳細なデータシートなどは探し出せなかった。
販売価格はFIAMMよりも安いがLONGの通常クラスバッテリーよりは高く、送料もかかるので微妙かな。
本社はどこなのか分からなかったけど、おそらく中国発祥の企業。世界各国に支社があったり、大手企業クライアントが多かったり、品質管理がトヨタ生産システムを参考に構築されていたりと、信頼性はありそう。詳しい情報が多いのもありがたい。
日本では、岐阜バッテリー販売のWebサイト に情報がまとまっている。適合する型番は GPG12V20 だが、ゲルバッテリーとなっており、期待寿命は5年間と長い。
ただし、この型番で検索しても確かにこの商品だと言い切れる販売ショップがなく、かろうじて型番が含まれる商品も11,000円と高価。そういった不安要素に価格の高さも含めると、積極的に選択しづらい。
アメリカに本社があり、NASAや米軍のミサイルシステムにも同社のバッテリーが多数採用されているという、男子的には「これってNASAで使われてるんだぜ!」というのはかなりのアピールポイントっつーか自慢ポイントになったりするわけだが(注・時代背景とか年齢によります)、そういう点では信頼性が高そうなイメージ。
適応する製品型番は CF-12V 18DC で、情報は 株式会社ニスコのWebサイト にまとまっているが、イーグルピッチャーのWebサイトには該当商品の情報が見つからないのはやや不安。
上記サイトの情報によれば、期待寿命(25℃での使用で容量80%となる年数と仮定) は7~9年と、国産超長寿命バッテリーには及ばないにしても、かなりのロングライフ製品といえる。
ただし、その性能からか価格も高めで、新神戸電機の LHM15-12 と価格はほぼ同じ。接続端子は LHM15-12 と異なり、変換ケーブルも必要なく取り付けられそうなのはメリットなので、古河電池の FLH12150 よりはこちらの方がコストパフォーマンス高いかも。
アメリカに本社を持つバッテリーメーカー。日本国内でもキャンピングカーやヨットのサブバッテリー等の用途でいくつか販売されており、知名度は高いと思われる。
PSH-12180 の NB2 端子モデルが適応すると思われる製品で、このメーカーの製品は株式会社アイエーテックが正規輸入代理店のようだ。Power-Sonic Model PSH-12180 ページ に情報がまとまっている。
しかし、こちらは全く小売り販売サイトが見つからない。海外での販売価格を見ると、50ドル程度で売られているため、近い価格で入手できるなら大変魅力的ではあるのだが・・・。
販売代理店まで問い合わせたところ、具体的な金額の掲載は避けるが、新神戸電機の LHM15-12 より高い金額だった。もちろん販売代理店の主要業務は卸売りだろうし、小売価格が高くなるのは致し方ない(小売り対応してくれるだけでもありがたい) 話ではあるが、さすがにちょっと手は出せなかった。問い合わせへの返信はすぐに送られてくるなど、対応は良かっただけに残念。
説明の必要もない気がする、互換バッテリー界の超有名メーカー。もちろんメイドインジャパン。超長寿命を誇る LHM シリーズ(期待寿命13年!) と、長寿命モデルの HF シリーズ(期待寿命5年) がある。HFシリーズは自分も使用していたが、つい先日バッテリー警告で寿命を迎えた。間もなく5年になるかというところまで保ったわけで、広告に偽りない製品だった。
実は2012年度版で LHM15-12 販売ショップとして記載したサイトは、端子形状が F2 という規格で、変換するためのケーブルを用意するなど、一手間かけないと利用できないとのショップレビューがあった。現在は2012年版の方もその旨追記しているが、誤った情報を記載してしまい申し訳ない。
ただ、その手間を掛ければ価格的にも安いため、今年も同ショップを掲載している。しかしこのショップ、HF17-12 も LHM15-12 も同じ価格になってるな・・・。これなら端子加工の手間を含めても、LHM15-12 が欲しくなるな。
HF17-12A 日立 ( 新神戸電機 )小型制御弁式鉛蓄電池 / UPS / 無停電電源 / CATV / 防災 防犯システム機器 / 非常 灯 【RCP】 05P06May14 価格:10,670円 |
LHM15-12 日立 ( 新神戸電機 ) 小型制御弁式鉛蓄電池 UPS / 無停電電源 / 防災 防犯システム機器 / 非常 灯 / 太陽光 ソーラー 発電 【RCP】 05P06May14 価格:10,670円 |
世界のトップメーカー。新神戸電機同様、期待寿命13年の PWL12V15 と、期待寿命3年の PE12V17 が代替としてあるが、PWL12V15 は2年経って調べても、販売価格が1台 3万円ジャストが最安というのは変わっていない模様。となるとやはり、価格的には PE12V17 一択。
しかし、これまた2年前にも書いた通り、FIAMM の FG21803 も期待寿命3年でスペック的にも近く(FIAMM の方が容量も1Ah多い)、メイドインジャパンにこだわらない限りは選択肢に入りづらい。
日本で著名なバッテリーメーカーの一つ。こちらも期待寿命13~15年の FLH12150 と、期待寿命5年の FPX12170 がある。2年経っても古河電池は超長寿命版の FLH12150 の方が実売が安い店もあったり、FPX12170 との価格差がほとんどない店も多く、逆転現象は変わっていないようだ。(UPS用途と銘打たれているのは FPX シリーズのため、出力特性などが違う可能性はあるが)
FLH12150 も新神戸電機の LHM15-12 と同様に2年前から大きく値下がりしており、選びやすい状況となった。特にこの商品は写真で見る限り、端子を加工せずにそのまま使えそうなのでありがたい。後は1台辺りの価格差、約3,000円(2台で6,000円) と加工の手間賃を天秤にかけてどう考えるか、かな。
2年経過して再度まとめ直してみたが、再調査とか文章の書き直ししてたら全然楽じゃなかったよチクショー月刊誌で毎年同じネタ繰り返すのもけっこう大変なんだな いかがだっただろうか。2年前には調べきれなかったりで知らなかったメーカーが見つかったり、紹介したメーカーも価格や取扱商品が入れ替わったりしていて、個人的にはいろいろな発見があった。
価格面については、LONG社のバッテリーは不定期にチェックしていたが、2012年終わりに向かって下がり続けていた価格が、2013年反発してそのまま年末まで上昇を続け、現在もその水準で高止まっている。そのため、コストパフォーマンスは悪化していると感じる。(それでも他社よりはまだ安い水準ではあるが)
反面、国産バッテリーメーカーである新神戸電機と古河電池のバッテリー価格は大きく下げており、下手な海外メーカー製品を選ぶよりも、安心できる国産メーカー製品を買う、ということも検討しやすくなった。
また、FIAMM社のバッテリーに関しても2012年に紹介したときより価格は下がってきており、自分が購入した時は800円近く下がっていた。現時点でも消費税増税分程度の上昇しかしておらず、2個で 1.1万程度で購入できるのはコストパフォーマンスが高い。
他のブランドについては、RAGGIE Power社が価格面で頑張っているものの、詳細なスペックシートや信頼性を担保できるような情報が足りず、それならまだ価格の安いLONG社のバッテリーでいいじゃん、となってしまうのが残念なところ。
個人的にFIAMM社に良い印象を抱いているのは、価格と信頼性(を担保できると思わせるブランド・スペックシートの存在) のバランスの良さなので、他の海外企業においても、そういった情報をたくさん出した上で、販売価格も1万円を大幅に切ってこない限り、選択肢にするのは難しいだろう。(何しろ新神戸電機のフラッグシップが1万ちょいで買えるようになってるしね)
前回に引き続き今回もこの項目を用意してみたけど、タイムリーに今バッテリー警告が出ていて急ぎで1セットは購入せざるを得なくなっているので、ほぼ確定なんだけど・・・。ってことで購入するバッテリーは、(おそらく) コレ!
散々LONG社のネガキャンしてたのに買うのかよ、とか突っ込まれそうだけど、ゲロ ゲルバッテリーの寿命に興味があるのと、本当にLONG社のバッテリーだけが過熱や膨張の原因だったのか、再確認する意味でもSmart-UPS 1500(SUA1500) 上で使ってテストしてみたいなーと。
・・・でも国産バッテリーとの価格差小さいんだよなあ・・・。これ買うくらいなら新神戸電機の方がいいよなあ・・・などとまだまだ悩んでるので、違うの買っちゃうかもですが、以上、APC Smart-UPS 1400・1500向け互換バッテリーまとめ 2014・春バージョンをお届けしました。次はまた2年後くらいにー。