これまで、エルゴトロン LXアーム に取り付けていたのは、TOSHIBA REGZA 24B5 という24インチフルハイ液晶テレビだったのですが、やや離れたベッドの上からは文字が小さくて番組表が見えないとか、PCの信号をHDMIで映すとややぼやけた感じになるあたりが不満で、32インチクラスでフルハイの液晶テレビを探していました。
ところが最近は32インチのフルハイ液晶は壊滅状態で、そこそこの価格で買えていたのは、オリオン DEU323-B2 くらいしかなく、それも買い時を逃したために、最安時3万以下だったものが3.5万くらいまで値上がりしており、何となくシャクなので買うのをためらっていました。
32インチ以上になるとLXアームの耐荷重を越えてしまうモデルが多いし、近距離でも見るので大きすぎて見づらいだろうしということで、しばらくは問題を先送りにしようと思っていたのですが、そうこうしているうちにLGからフルハイ対応の32インチ液晶モデルが出るというリリースがあり、価格がある程度下がりきるのを待って購入に踏み切った次第。
……まあ踏み切ったはいいものの、踏み切りタイミングがやや早くて購入後に値段が3.2万強まで落ち込んだり(購入時は3.7万弱)、ポイント10倍が20倍にアップして涙で枕を濡らしたり(3680ポイントバックでも実質価格は最安クラスだけど) と、やや鬱になりもしたものの、そういうネタに困らない人生というのも文章書く上ではメリットなのかなーとまとめつつ、本題のレビューに入りたいと思います。
ちなみに、エルゴトロン LXアーム に直接この LG Smart TV 32LB5810 を取り付けることはVESA穴のサイズが違うためにできませんので、自分の場合は サンコー VESA変換プレート200×200 MARMVESA200 を利用して釣り付けています。(当時はNTT-XSTOREの取り寄せで入手しましたが、今はAmazonでも取り扱っているようです)
超解像はREGZA 24B5にも付いていたけど、このテレビにはTruMotionという、フレーム補完機能が搭載されています。なぜか LGの商品情報 にはその記載がありませんが、この設定を有効にすると、例えばアニメのスクロール時などに相当ヌルヌル動きます。PCにSVPを入れてフレーム補完させ、ヌルヌル動く環境を構築したのですが、それに匹敵するくらいの滑らかさでした。
しかもHDMIから入力された映像にも有効になるので、PCから録画した動画データをHDMI経由でこのテレビに表示させても、ヌルヌル動いてくれます。デメリットとしては、テレビや動画データ再生時に、ものによってはカクツキが出たりブロックノイズが発生することがありますが、頻度としては多くないので、自分にとっては気にならないレベルです。
ただ、慣れるまではそのヌルヌル具合に違和感を感じるかもしれません。数日この機能を「強」にして使ってみて、自分はもう慣れたので気にはならないですが。アニメのことばかり書きましたが、もちろん実写映像も滑らかに動きます。(むしろ自然にスムーズな感じで動くのは実写映像の方かも)
先に使用していたREGZA 24B5が悪かったのかもですが、こちらのテレビの方が低音がしっかり出ています。スマートサウンド機能を有効にしているので、サラウンドの調整も自動で行ってくれているのか、どんなソースを再生しても破綻なくいい音で鳴らしてくれています。
スピーカー自体は本体下部にあるようで、ちょっと高い位置にモニターアームでテレビを設置している自分にとっては、ちょうどいい高さから音が響いてくるのも、いい音に聞こえる一因かもですね。
設定メニュー画面が大きめのフォントで見やすく、またレスポンスも高速です。REGZA 24B5もレスポンス速度はほとんど遜色なかったのですが、メニュー画面などが文字ベースで文字も小さめ(これはインチサイズも影響しているでしょうが) だったので、グラフィカルなメニューと読みやすい文字、レスポンスの良さはストレスがたまらず操作できていい感じでした。
もちろん、番組表も文字が大きめで読みやすく、やや離れた場所からでも視聴予約などができて快適です。
地味な点ですが、視聴予約していたら電源をスタンバイにしていてもちゃんと電源を入れてくれ、番組を表示してくれるのも好感が持てます。他社製でもこの機能が付いているものはあるみたいですが、REGZA 24B5では電源がスタンバイだと予約が無視されていたので、個人的には嬉しい機能でした。
他にも、ポップアップヘルプ機能で各設定項目の内容をその場で確認できたり、操作マニュアルが内蔵されていて紙のマニュアルを読む手間が省ける点や、本体下部にクリックできるレバー式のミニコントローラーが付いていて、ちょっとした操作はリモコンを使わなくてもそこからできたり(便利かどうかは……)、もちろんメインとなるネット連携機能やスマートフォン連携機能などもありますが、そちらは隣にPCがあるのでまだ試してません。またマジックリモコンが届いた頃にでも試してみようかなと。
ここまでいいことを書いてきましたが、ここからはデメリットを。最大のデメリットがこの点で、CSの番組表を表示したいとき、CSボタンを1回押すとCS1の番組表が表示され、もう1回押すとCS2の内容が表示されるといった具合です。
他のマイナーな海外メーカー製テレビを使っている友人も、同様の問題を抱えているそうなので、日本ローカライズ部分で細かい所まで気が利いていないのかなーと。REGZA 24B5ではそんな問題はなかったので、フラストレーションが溜まります。まあ慣れだとは思いますが。
番組表機能で番組を選んで決定ボタンを押し、番組の詳細情報を読み込んで表示するまでの数秒、現在放送している番組の音声が途切れます。これは自宅のやや古いBRAVIAでも同様なのですが、REGZA 24B5では事前に番組情報をある程度キャッシュしているのか、音声が途切れるという事はなく、詳細情報も瞬時に表示されていました。
また、その番組詳細画面から視聴予約をする際、予約決定としてもその後番組表に戻ってきた際に若干のウェイトが入って待たされる、というのも気になります。
細かい使い勝手の部分ではありますが、全体的にレスポンスがいいテレビなのに、番組表の詳細表示(その画面からの視聴予約) あたりでもたつくのはもったいないなーという感じですね。
ちょっと分かりにくい話ですが、例えばBS11を映していて、その後チャンネルを地上波に切り替えます。そして番組表ボタンで番組表を表示し(この時点では地上波の番組表が表示されます)、BSボタンで番組表をBSに切り替えると、フォーカスされているのはNHK BS1、ということです。
これは直前に観ていたチャンネルに関係なく、必ず地上波ならNHK、BSならNHK BS1といったように、決め打ちで各放送波の最初のチャンネルがセットされるようです。REGZA 24B5やSONY BRAVIA、他の自宅にある東芝製テレビでは、こういう切り替えをしたときに、その放送波で直前に観ていたチャンネルにフォーカスを合わせてくれるので便利でしたが、人によっては毎回初期位置に戻った方がいいという方もいるかもしれませんね。
自分の場合は、観ていたチャンネルを基準に考えるクセが付いているので、割と操作に戸惑っていますが、これも慣れかなーとは思います。(ただこの操作に慣れると、国産のテレビ操作の時に戸惑いそうですが)
例えば23時ジャストの番組を予約した場合、24B5では22時59分58・59秒あたりにそのチャンネルに切り替わって表示されますが、このテレビは23時00分2・3秒くらいに切り替わって表示される、という感じです。
実際の視聴にあたっては大きな問題ではないのですが(開始1・2秒は内容が始まってない番組も多いですし)、ちょっと気になるかなということで。
ここまで記載したメリット・デメリットについては、ソフトウェアバージョン 03.02.07 での話であり、違うバージョンではまた違いが出てくるかもしれません。ネットワークに繋いでソフトウェアの最新バージョンを確認すれば良かったのですが、時間的な都合とネットワーク機能をそれほど必要としていないこともあり、出荷時のバージョンのままで評価しました。
メリットの点で触れられませんでしたが、PC経由のHDMI出力についても、REGZA 24B5よりはシャープな印象で、当初の課題であった大画面化とPCモニターとしての利用については、かなり満足しています。特に期待していなかった(というかその機能があるのを知らなかった)、フレーム補完機能が素晴らしく、好みはあるでしょうが自分はテレビや動画をこのテレビに映すのが楽しみになっています。
最近価格がやや上がってきていますが、32インチフルハイという縛りの中では最安に近いクラスの製品であり、各種機能も充実していて、難点もあるものの買っても損はない一台だと思います。
先日、ようやくファームウェアを現在最新の 04.00.22 (ダウンロードサイトへのリンク) にアップデートしましたが、ここで挙げたメリット・デメリットには特に変化がありませんでした。せめて視聴予約機能のタイムラグくらいは無くなっていて欲しかったんですけどね。
また、モニターアーム用金具の情報追加と、一部の表記を修正しました。