先のブログ記事 では開封とSMART情報とか調べただけで終わったので、予告通り今回はHDD購入後に一通り行う初期不良チェックテストの内容をまとめてみました。
だいたいは このサイト様 で書かれている、念入りフォーマットのやり方を踏襲していますが、最後のテストだけ別のツールを使って行っています。
今回はWestern DigitalのHDDなので、チェックにはメーカー純正ツールである Data LifeGuard Diagnostics を使いましたが、Seagateなら Seatools 、HGSTなら WinDFT を使うのが基本になります。ただ、うちの環境だとWindows版のSeatoolsがうまくHDDを認識してくれないので(ICH9のRAID構成にしているのが悪いのかも)、その場合は別のツールを使います。(あとがきにて後述)
具体的な内容は以下から。
Data LifeGuard Diagnostics を実行すると確認画面が表示されるので、I accept this License Agreement にチェックを入れ、Next ボタンを押して起動します。
チェックしたいHDDを選び、右クリックしてメニューを表示し、Run Diagnostics をクリックします。
必要ないかもですが、個人的なクセでまず QUICK TEST を実行します。相当状態が悪い場合はここでエラーが出るので、あとのテストを省ける分、時間短縮にもなるかなということで。今回は2分7秒程度で終わりました。
続いて EXTENDED TEST を行います。実行前に上記のような警告が出ることがありますが、その場合は検査対象のドライブに対して動いているプログラムや、開いているファイルがあれば、それを閉じてから OK ボタンを押します。
EXTENDED TEST は全セクターのリードテストとなるため、かなり時間がかかります。自分の環境だと、WD30EZRX-00D8PB0(3TB HDD・1TBプラッタモデル) で、7時間9分48秒かかりました。
続いて WRITE ZEROS で全セクターに0を書き込むテストを行います。データ全てが消えるという確認画面が出ますので、はい (Y) ボタンを押して進めます。その後の画面では、FULL ERASE をチェックし、OK ボタンを押すとゼロフィルが開始されます。
このテストもかなりの時間がかかりますが、自分の環境だと EXTENDED TEST とほぼ同じ、7時間9分38秒でした。
ここまでのテストで問題がなければ、Close ボタンを押してアプリを終了します。もしエラーが発生した場合は、VIEW TEST RESULT をクリックして内容を確認しましょう。参考までに、正常終了した場合のログの例を下記に掲載しています。
以上でリード・ライトテストが一通り終わったわけですが、最後に再度リードテストを行います。メーカー純正ツールを使うのが王道ですが、自分は最近 FromHDDtoSSD というツールを使っています。このツールはHDDの健康状態まで表示してくれ、かつどのメーカーのHDDチェックにも使えるので便利です。(他にも不良セクタの回復機能やHDDデータ救出機能などもありますが、それらはほとんど使っていないので触れません)
FromHDDtoSSD を起動したら、テストしたいドライブ名横のチェックボックスをチェックし、完全スキャン / 統計スキャン ボタンをクリックします。すると確認画面が表示されるので、はい (Y) ボタンを押して進めます。
グラフィカルにHDDの状態が表示されるため、分かりやすいのが特徴です。テスト完了時間は純正ツールよりやや早く、7時間9分10秒で終了しました。
作業完了ボタンを押すと、確認画面が表示されるので、はい (Y) ボタンを押して進めると、上記のようにHDDの状態が表示されます。自分の場合、ここの数字が100なら問題ないだろうと判断して常用しています。
余談ですが、Buffshop で購入したHDD(40数台) のうち、この数字が95などと低く表示されるものが Seagate ST3000DM001 で数台ありました。Western Digital WD30EZRX、HGSTの4TBドライブをチェックした限りでは、100以外の数字が出たことはありません。(チェック台数の差もありますし、たまたま当たりが良かった可能性もありますが)
きちんとした代理店扱いの新品HDDを購入し、かつ梱包状態がしっかりしていれば(3TB HDDで21時間以上かかるということもありますし)、ここまで厳密なチェックを行う必要はないかもしれません。(初期不良チェックという点からは行った方がいいとは思いますが)
しかし、例えば梱包状態が劣悪な状態で届いたり、Buffshop のようなアウトレット扱いHDDを購入した場合や、オークションで落札した中古HDDなど、初期状態に不安が残る場合、ここまでのテストを連続して行ってから使用を開始した方が安心なのではないかと思います。
で、冒頭で書いた、メーカー純正ツールが動かない場合のチェック方法ですが、私の場合は FromHDDtoSSD でリードテスト、HDD LLF Low Level Format Tool で書き込みテスト(ゼロフィル)、再度 FromHDDtoSSD でリードテストという流れで行っています。HDD LLF Low Level Format Tool はフリー版だと速度が遅いため、よく使う場合は3.3ドル払ってPersonal Licenseを購入するといいでしょう。
以上、私が行っているHDDの初期不良チェック方法でした。
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はじめまして。
2014年の8月4日の、御ブログ筆者、また現ブログ筆者様に大変感謝いたします。
Googleでディスクのチェック方法を検索(今までの人生はWindowsのチェックディスクを走らせるという間違いを行ってきた)し、比較的頭の方に出てきて拝見しました。
とてもわかりやすく、素直に納得できる方法で、全てをこれから(さっき新品を設置したばかり)チェックかけます。
WD製、4TBを二基。
5年分の、家族の写真とハンディカム映像を残すのに、何の対策もしていない素のHDDに保存しているのは不安でならず。
だからといって、財政期には安価なHDDケースと、WD製のブルーを2基買うのが限界。
両方チェックして、問題がなければ、ソフトウェアミラーリング(同期)をかけて、保管していくつもりです。
保管方法はどうでも良いとして。
機械は必ず壊れるのだから仕方ない。
しかし、最初の丸三日を辛抱し。
現在持っているHDDが、出荷状況としては問題のないものだとわかるだけでも、どれだけ安心か。
このままチェックが終了し、ミラーリングが終われば、少なくとも今自分に出来る最大限の状況で、家族の記録は守られていく。
筆者様が、そのスタートに安心を添えてくれました。
きっと、流れ流れて、次にここに流れてくるのはいつになるかわかりませんが。
このような内容のブログを残して下さった筆者様。
心からお礼申し上げます。
ぜひとも、今後も、こうして何かに迷ったダメな奴が、筆者様の記事に光を見出していけるよう、2018年以降も更新し続けていって下さい。
突然失礼いたしました。
コメントいただきありがとうございます。
また、過分なお褒めのお言葉をいただき、恐縮しきりです。
新品のHDDを購入されたのでしたら、ここまで厳密なチェックをする必要性は薄いかもしれませんが、かけがえのないデータの保管となりますと、慎重を期すに越した事はないかもしれませんね。
HDDのテストの件と話は変わりますが、データの保管という観点からすると、クラウドサービスの利用も視野に入れて検討された方が、物理的な災害にも耐えられるという点では安心できるのではと存じます。(すでにご利用中でしたら申し訳ございません)
Google Photosは、無償で写真データを(画質を落とせば) ほぼ無制限に保存できますし、動画につきましても再エンコードはされてしまいますが、同じく容量制限なく保管できますので、そういったバックアップ手段を並行するのも、一つの方法かと存じます。
ただ、画質などをオリジナルのままで保管したいとなりますと、Google Photosではコスト面で厳しいため、私は別途有料サービスである、OpenDrive というサービスを利用しております。
https://www.opendrive.com/
海外サービスですが、容量無制限で使え、コストも年99ドルと格安です。私も数年にわたり、動画や写真など6TB近くのデータを預けておりますが、特に利用制限などもされておりません。ファイル同期だけではなく、バックアップ先としても使えますので、シンプルにバックアップデータ置き場のひとつとしても利用できます。
同社の回し者みたいですが(上記リンクにはアフィリエイトなど含まれておりませんのでご安心ください)、転送速度が海外だけにそこまで速くない点を除けば、他者に覗き見られないというセキュリティフォルダ機能もありますし、一つの選択肢となり得るかと存じます。
本題とは外れてしまいましたが、HDDにしろ光学メディアにしろ物理的に読み出せなくなるというリスクは常に存在しておりますので、デジタルデータ全盛の昨今、クラウドのような遠隔地を含む、多重バックアップ環境がより一層必要とされそうですね。