今日からようやく通常の日記モードに戻る事ができますた。しかしこの数日、今までに見たこともない数のアクセスがあるために、下手なこと書いたら吊し上げられる(イメージ映像:必殺仕事人のアレ) んじゃないかとある意味ガクガクブルブルです(笑)。えーと、このページは私の私による主に知人向けの雑談日記なので、変な部分ががあっても生暖かい目でご覧いただけますようお願いします(^^;)。
ちなみに、昨日は結局焼き肉食えませんで、体調は相変わらずでした。しかし、今日こそ焼き肉です。体力つくといいな…。
とりあえず、P2Pによる合法的なコンテンツ流通についての話は後日に置いておいて、Winnyに関してだけ、その後集まってきた情報をまとめながら考えてみようと思います。今回の考察は報道から読み取れるメッセージと、Winnyの今後について少し考えてみた事を書き殴っております。なお、この逮捕劇によるトラフィックの変化、犯人の心理などについて、すばらしい考察がありますので一読をお勧めします。
ちなみに、今回は各ニュースごとに単独で取り上げていくスタイルを試してみます(^^;)。
このニュースで注目したのは、
「Winny」は、ファイル名の一部を検索するだけで、共有状態にされた映画やゲームなどのソフトを簡単にダウンロードできる。社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(東京都)によると、ユーザーは今年9月で全国約25万人。わいせつ画像や児童ポルノ配布などの問題も起きている。日本国際映画著作権協会によると、今回の被害は「ビューティフル・マインド」だけで約2億3000万円と推定され、同協会は「ユーザーのモラルに警鐘を鳴らす摘発と言える」と話している。
の部分です。まずこの記事で気になるのが、この種の事件でよく報じられる被害額の算出方法ですね。この「約2億3000万円」という額はどのようにして算出したのでしょうか。現在この「ビューティフル・マインド」はDVDとして販売されており、その定価は3,980円。ここからの算出だとして、約57788.94本。つまり「約57,789本」の定価分を掛けた額が被害額なのでしょうか。
しかしこのような場合、本来メーカーが算出するべき額は「その商品の卸価格」であるはずです。にも関わらず、私の知る限り、この種の事件でメーカーが発表する被害額は「商品の定価」から算出したものです(この辺り詳しくないので、間違っていましたらツッコミください)。では、違法コピーが「約57,789本」配布された事がだいたい正しいとして(まあこの数も信じるに足る証拠はないんですが)、最終的な被害額はもう少し低いと考えられます。一部店舗では早期予約特典として、25%引きでDVDを販売しているところもありますので、やや高いとも思いますが「DVD販売価格の70%」が卸価格と仮定します。そうすると、被害額は「3,980円の70%=2,786円」×「57,789本」=161000154円、よって「約1億6100万」が被害額と考えるのが妥当です。どちらにしても大きな数字ではありますが、この種の事件ではメーカー(もしくは警察?) がその「被害がどれだけ甚大なものか」というのを誇張するため、あり得ないほど大きい数字を出すこともありますので、注意が必要です(違法コピーで配布されたとする数も含む)。
で、次に気になったのが「わいせつ画像や児童ポルノ配布などの問題も起きている」という部分。直接今回の事件(著作権法違反) に関係ないこのような例を取り上げた場合、記者が独自にWinnyを使用して調査しているのでもない限り(笑)、警察発表・またはそれに近い筋からの情報という可能性が高いでしょう。そして警察・それに近い筋がそう認識しているということは、次に逮捕者が出るとしたら、そのようなコンテンツを頻繁にやりとりしていた人物である、とも考えられます。
WinMXの時もそうでしたが、まずは著作権法違反での逮捕者を皮切りに、わいせつ物や児童ポルノに移るというやり方を今回も踏襲するかもしれませんね。では何故わいせつ物などを皮切りにしないのか。あくまで個人的な考えですが、映画やゲームという「一般的でよく知られている」コンテンツで逮捕者を出し、それを報道させることでWinnyというソフトの存在を広く知らしめ、その後わいせつ物などの容疑で逮捕することによって、最終的に「Winnyを使っている=逮捕」というイメージを作り上げたいのではないかと思います。たとえWinnyをBBS専用として使っていれば法律上全く問題はなかったり(スレッドを立てている人は、そのスレッドに書き込まれた内容の管理責任はあるかも知れませんが)、合法的コンテンツを流したりしている人がいても、「Winny=悪」というイメージを植え付けられた一般の方は、Winnyを使おうとしなくなるでしょう。そうしてWinnyを衰退させるのが警察の目的ではないでしょうか。
…というところで一時話を置いておいて、次のニュースに移ります。
このニュースによると、
ACCSの坂田氏によると、京都府警察本部ハイテク犯罪対策室などは、独自の方法を用いて被疑者の身元やIPアドレスなどを特定し、Winnyの暗号化を解読した上で著作物を送信可能化にしていることを確認。送信可能化にしている著作物の同一性を、“第三者による鑑定”的な意味合いでACCSに依頼してきたという。依頼を受けて同協会では、告訴会社である任天堂株式会社と株式会社ハドソンとともに同一性の鑑定を行なった。
同一性の鑑定では“いちWinnyユーザー的な利用方法を用いた調査”によって被疑者が送信可能化にしていた著作物をリモートから鑑定。本物であることを確認したという。この際、著作物はすでに復号化されており、復号化済みのファイルを鑑定したという。また、今回の鑑定では「被疑者がどのような著作物を送信可能化にしているか」を調査したものであり、「被疑者がどのようなものをダウンロードしたのか」については問題にしていないという。なお、さらに詳細な方法については「捜査の関係上コメントできない」としている。
実際の逮捕に至る経緯は、京都府警が「独自の方法」を用いて捜査し、容疑者を特定した後、ACCSへ「第三者による鑑定」としてそのデータの同一性調査を依頼した、ということのようですね。また、ACCSがその鑑定のために用いた手法は「いちWinnyユーザー的な利用方法を用いた調査」とのことで、詳細は明らかになってはいませんが、おそらくWinny(またはそれに多少細工をしたもの?) を使い、データをダウンロード・複合し、そのファイルとの比較を行ったものと思われます。私の知る範囲では、Winnyの転送相手などが分かるクラックパッチが存在しているとの事なので、それを用いればユーザーの特定・データ鑑定も容易でしょう。
ということで、27日の日記 で述べた「逮捕者は自分のホームページを持っており、そこで逮捕のきっかけとなるデータを公開していた?」というくだりは、偽情報である可能性が高そうです。純粋にWinnyを使用していたことがきっかけで、逮捕されたと見るのが正しいでしょう。
ではここからまとめです。以前から書いていますが、Winnyは現在多数のユーザーを持つP2Pクライアントです。使い方によっては悪に傾く事もありますが、匿名で言いたいことが言える(BBS機能)、匿名で自分の作品を発表できる・自分が勤める会社が行っている悪事の証拠を公表できる(ファイル転送)、など、多くのユーザーを持つがために、正当に使えば社会に対して大きな影響を与えることもできるはずです(とはいえ多くのユーザーを集めた理由は、その匿名性の高さゆえ違法コピーなどに対する心理的ハードルが低かったためでもあるのですが)。しかし警察が「Winny=悪」というイメージを植え付けるようなやり方を取るとするなら、その芽は断たれてしまうでしょう。
蛇足ですが、私がなぜ「Winnyというツールを擁護するかのような文章」を書いているのか、少し説明しておきます。それは今後書くつもりの「P2Pの合法利用」についても関連するのですが、これだけ広まったツールをうまく使えれば、新たなコミュニケーションツールとしての世界が広がる、ということが考えられるからです。上記で述べたように内部告発などにも使え、好きなことを気兼ねなく発言できるという世界は、インターネット初期に発生した「ネチズン」が理想としたネットワークの思想に通じるものがあります。しかしながら、噂ではありますがWinnyの開発は停止という話も出ていますし、公式ページも閉鎖されています。新規ユーザーがこれ以上増えないとすれば、その合法利用に移行する可能性は低くなり、警察の思惑通り「Winnyは壊滅」することになるでしょう。せっかくこれだけのユーザーを持ちながらもったいないとは思いますが、それがユーザーの流れならば、押しとどめることはできませんし。
ただ、匿名の分散型BBSという機能は残って欲しいと思います。2chもログ取得が開始されて、匿名という部分が弱まっている上、サーバー費用・回線トラフィックによるコスト面での問題や訴訟等で、いずれ破綻するかもしれないという噂もありますし。匿名とはいえ、当然犯罪目的の書き込みは取り締まられて然るべきですが、内部告発ができる場・言いづらいことを気楽に発言できる場は必要なのではないかと。もちろん2ch以外にも、そのような場を目指す掲示板もありますが、あれだけの規模・ユーザー数を集められることができるのか、という点が気になります。また数々の訴訟を起こされている2ch管理者「ひろゆき」氏ですが、個人や組織が2chのような掲示板システムを運営しようとするならば、訴訟などのトラブル・警察からの問い合わせなど、数々の負担を強いられることになりかねません。
その点WinnyのBBSならば、それぞれが相互に掲示板のスレッドを分散して引き受けることにより、上記のデメリットを解消できます。P2Pの合法的な利用という観点で見れば、これこそ第一の候補となるでしょう。仮にWinnyによるファイル共有が今後衰退するとしても、Winny BBSのシステムは存続し続けて欲しいものです。(ちなみに以前よりWinnyのBBSだけ別ツールとして独立させては? という声がありましたが、そうすると今度はユーザー数が激減するかも、といった危惧があり、結局実現しなかったと記憶しています。やはりBBSのみだとユーザーに対する訴求力は弱いのでしょうか…)
…かなり長くなった上、毎度毎度乱文乱筆ですが、とりあえず今日はここまでに(^^;)。P2Pでの合法的なコンテンツ流通に関しては、まとまり次第書いていこうと思います。
個人的備忘録と友人用にメモ。ゲーム以外のものもあるけど、まあ気にするなと。
12/03
12/04
12/05
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