今回、GUilZ.INFO で Google App Engine を使ったWebサイトを立ち上げたわけですが、実はサイト自体は1年くらい前から用意していて(無料なので登録とドメイン設定だけはしていた)、ようやくまともに使い出したという形です。
以前から言われている内容なので面白味はないのですが、Google App Engineを利用すれば、とりあえずWebサイトくらいは用意しておきたいという中小企業さんや、個人サイトやブログを作りたいけど、無料レンタルサーバーだと重かったり信頼性がちょっと……という方にも(自分も無料レンタルサーバーをやっているのにアレですが)、無料で信頼性の高いサイトが作成できるのではないかなと。
ということで、今回はそんな話題。
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Google App Engineは、Googleが提供するアプリケーションプラットフォーム(PaaS) です。
って、これだけの説明で分かる人はこんなブログなんて見る必要がないと思いますので簡単に説明すると、Googleがサーバー上で動くプログラム環境・データベース環境を「こんな仕様でプログラムを書けば、あとはうちのサーバーで好きなように動かせますよー」って公開してくれていて、私たちはその環境で動くように作ったプログラムなどをアップロード(デプロイといいます) して動かす、というサービスです。
これだけなら、普通のレンタルサーバーでPHPとかMySQL使ってブログとか作るのと何が違うのよ、って感じですが、一番大きな違いは
だと思います。レンタルサーバーをいくつか借りたことがある人だと分かると思うんですが、レンタルサーバーっていろいろ細かい仕様が違うことがあって、その上でプログラムがうまく動かない(文字化けしたりとか、エラー出たりとか) 事がよくあります。
Google App Engineでは、その仕様がこう、という感じに規定されているので、誰かが作ったプログラムを動かそうと思ったときに、PHPやMySQLで動かすプログラムと違って、文字コードがー、とか、PHPの設定がー、なんてことを考える必要がないんですね。それは導入・運用を考えたときに、とてもメリットなわけです。
他にも、天下のGoogleのサービスなので、無料サーバーや激安サーバーでありがちな、重くて動かないなんてこともなく、比較的快適にページの閲覧や更新ができることもメリットでしょう。
反面、動作する環境が規定されているということは、それ以外の環境が必要なプログラムは動かない、ということでもあります。例えばPHPやMySQLは動きません(動かそうとするユーザープロジェクトはあります)。なので、Google App Engine専用のプログラムを用意する必要があります。
前置きが長くなりましたが、ようやく本題。GUiLZ.INFO にも書いてますが、今回は以下のような環境でサイトを作成しました。
Google App Engineはプログラム環境として、JavaかPythonしか利用できませんので、すでに環境を用意していたPythonで動くCMSを、ということでMicologを利用しています。
ではこの環境の作成方法は、というところですが、私も以下のサイト様を参考にしていただきました。3番目の、「Google App Engine Launcherを使ってファイルをアップロード」という部分までができていればOKです。
その後 Micolog様のサイト より、プログラムをダウンロードします。ダウンロードしたZIPファイルの、micolog フォルダの中にあるファイル群を全て、上記サイト様の手順で作ったGoogle App Engineのアプリケーション用フォルダにコピーします(micologフォルダごとのコピーはしないでください)。
そこまで終わると、後は Deploy ボタンを押してデータをアップロードすれば完了です。普通のレンタルサーバーに比べて、事前のセットアップ作業はともかく、動作させるまでは非常に簡単だったと思います(私は正直簡単すぎて驚きました)。
後はテーマなどを自分の好みに合わせて設定したり、プラグインなどを設定したりするだけです。テーマは公式にいくつかありますし、プラグインもCKEditorなど、使い勝手のいいものがあります。それらを導入するのも簡単で、テーマはthemesフォルダ以下、プラグインはpluginsフォルダ以下に解凍して放り込むだけです。その後 Deploy すれば、Micologの管理画面から利用できるようになります。
Google App Engineは、ある程度までのリソースは無料提供してくれますが、それを超えた場合には有料となります(課金設定していなければ急な課金はありませんが、サイトは止まるでしょう)。
無料で使えるリソースは以下の通りです。(それぞれ24時間あたり)
それとは別に、データの保存領域は 1GB までとなっています。
この程度の制限であれば、中小企業や普通の個人サイトなら、十分に利用可能だと思われます。実際、前職では月間PV 2万程度・画像はそこそこの数・動画コンテンツもあったにも関わらず転送量は月に数GB程度でしたので、そう大きくない企業なら十分にまかなえるでしょう。
突発的にアクセスが集中した場合、無料ではさばききれないかもしれませんが、本来Google App EngineのようなPaaS環境は、そういった突発的なアクセスに対処できるようにしているシステムですので、万一の事態にもサーバーダウンの心配をする必要がない(お金はかかりますが) ことを考えると、Google Apps EngineをベースにWebサイト作成というのは今後もっと流行するかもしれませんね。
使い勝手のいいCMS等がオープンソースでたくさん出てくれば、レンタルサーバー業界も変わるかもですね。とくに格安系は厳しいことになりそう……。
Google App Engineを独自ドメインに設定するには、先にGoogle Appsへの登録が必要であるなど方法がGoogleのドキュメントだけではわかりにくいため、詳しい解説をされているサイト様へのリンクを追記します。
Google App Engineで独自ドメインを使う
http://www.1×1.jp/blog/2010/01/google_app_engine_my_domain.html
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